- 「急性アルコール中毒」って?
- 一度にアルコールを大量摂取すると、体内の血中アルコール濃度が一気に上昇します。
それにより意識障害や血圧低下、嘔吐などを起こす中毒症状のことを急性アルコール中毒と言います。
重症になると死に至ることもある極めて危険な中毒症状です。
- どんな症状があるの?
-
歩行困難、意識障害、血圧低下、嘔吐、動悸や呼吸困難、顔が真っ赤になる、
言語の支離滅裂、失禁、記憶が抜け落ちるなどの症状があります。
また、「酩酊に伴う医療従事者への暴力行為や暴言、大声で叫ぶ行為」なども少なくありません。
参考論文:
ERに搬入された急性アルコール中毒患者の検討
-
アルコール中毒とアルコール依存症との違いは?
-
「アル中」と呼ばれる状態は、厳密にはアルコール依存症のことを言います。
アルコール依存症は
「アルコール摂取に関するコントロールができずに社会生活に影響を及ぼしている状態」と定義されます。
以前は慢性アルコール中毒、慢性酒精中毒と呼ばれていたこともあります。
一度アルコール依存症になってしまうと、
ひとたび飲酒すると「ほどほどでやめる」ということができなくなります。
酔いつぶれるまで飲んでしまい、起きてまた酒を求めるようになり、
社会生活も家庭生活を築くことが難しくなります。
自分ではコントロールできない状態となり、医療機関の受診が必要となります。
- アルコール中毒はお酒に強い人でもなるの?
-
酒に強い人だけでなく、これまでにアルコール依存症のなかった人にも発症する可能性があります。
アルコール中毒の発生率は、「お酒に強い体質」「お酒に弱い体質」とは関係がありません。
血中のアルコール濃度(=飲んだアルコールの量)に比例するため、誰にでもリスクがあります。
- どんな人がアルコール中毒になりやすいの?
-
特に若年層や女性、高齢者などでリスクが高まります。
中でも大学生や新社会人では、「一気飲み」により死亡するケースも多く発生しています。
急性アルコール中毒による救急搬送は増加傾向にあり、
特に「20代の搬送件数」と「12月の搬送件数」が圧倒的に高いというデータがあります。
参考サイト:
東京消防庁
- 病院ではどんな治療をするの?
-
気道確保、保温、生理食塩水などで補液を行い血中アルコール濃度を下げます。
重症の場合は、気管内挿管や人工呼吸が必要な場合もあります。
その他、鼻から胃へチューブを通して嘔吐物を吸引し除去します。
尿道カテーテルを挿入して、尿として排出させることもあります。
参考サイト:
Doctors File 急性アルコール中毒
- アルコール中毒を防ぐには?
-
普段から自分の適量を把握しておくことが大切です。
また空腹時は、アルコールが胃腸から早く吸収されるため、食事をしながら適度に飲みましょう。
一気飲みや体調が良くないときの飲酒、人に無理に飲酒をすすめることはやめましょう。
参考サイト:
人とお酒のイイ関係